2017年にあったニュースとそれに伴うチャートの変化
2017年初め、ビットコインは約12万円の価値を持っていました。1月中に過去最高値を更新し、ビットコイン所有者を喜ばせていました。
しかし、2017年の終わりにはそれが150万にまで上昇していたのです。信じられないような上昇ですが、その途中には中国の規制、分裂騒動、金融商品化への期待など、様々なニュースがありました。
そのニュースがチャートにどのような影響を及ぼしたのかに注目しつつ、振り返っていきます。
中国の規制で天国から地獄へ
2017年初め、ビットコインは大きく高値を更新する状態からスタートしました。しかし、中国の取引所の立ち入り検査、規制が発表されたことで値は大きく下がりました。
ビットコイン投資大国だった中国の規制の影響は深刻で、一時は8万円台まで落ち込みました。その動きも急なもので、高値から最安値をつけるまで1週間の出来事でした。
135,000→85,000
1週間で30%の下落
ETF(金融商品)への期待と失望
2月はアメリカでETFが承認されるのでは?という期待が膨らみ堅調な上昇を支える土台となりました。 しかし、3月に入り、10日に申請が却下されると、膨らんでいた期待がはじけ、価格はいっきに下落しました。
150,000→105,000
2週間で30%の下落
分裂問題
5月には分裂問題がでてきます。分裂問題自体は以前から存在していましたが、このころに一気にクローズアップされるようになりました。スケーラビリティ問題の解決法をめぐる対立はなかなか解消されず、明確な管理者がいないため、決めたいことが決められない、という状態が数か月も続いてしまいました。
その間、チャートも高値を更新できず、レンジの中での動きに終始しました。 明確な悪いニュースが出るわけでもなく、暴落にはつながりませんでしたが、動きの大きい仮想通貨の中ではめずらしい状態でした。
8月に一応の同意を得て、セグウィット導入が決まり、ビットコインキャッシュの誕生が問題なくすすんだことで、この問題は収束しました。その安心感から、力強い上昇トレンドが始まりました。
中国がICOを禁止、取引所も閉鎖
9月4日に中国がICOを全面的に禁止する、という報道がありました。急増していたICOを規制するためのものでした。
このニュースにより価格は下落し、一時300,000円近くまで値はもどりました。最高値からは50%に迫るような下落で、国家による規制が市場に与えるインパクトの大きさをあらためて証明しました。
560,000→300,000
10日で45%の下落
11月分裂
11月は2度、暴落といっていい動きがありました、9日から11日にかけて、高値870,000から620,000まで下落しました。30%近い暴落です。
この暴落の引き金は予定されていたハードフォークが延期されたことによるものと思われます。普通ならハードフォーク延期は好材料のはずなのですが、この時の相場の反応は違いました。
870,000→620,000
3日で30%
29日から30日にかけても、大きな値動きがありました。この時は特に悪いニュースがあった訳ではありません。相場の暴落そのものがニュースになりました。チャートには上下に長いヒゲが残り、その時の動きの荒さを表しています。
1,290,000→975,000
2日で25%
注目したいのはこの2度の暴落の間に620,000から1,290,000と100%の上昇が2週間程度で起きていることです。
CBOE上場
CBOE(シカゴ・オプション取引所)に上場される、という噂で11月は二度の暴落があったにも関わらす、ビットコインは大きく値を伸ばしました。この時は12月11日に、正式に上場されました。CBOE上場で機関投資家が参入する、というのに大きな期待がかけられていたことが分かります。
動きの傾向
良いニュースはほとんどの場合、噂として流れ始めます。その期待から、相場はじわじわと上昇します。しかし、それが裏切られると、待っているのは暴落でした。 悪いニュースとしては中国の規制と分裂問題がありました。
中国の規制は2回とも大きな暴落を引き起こしました。分裂問題は結果がなかなか出なかったこともあり、暴落にはつながりませんでしたが、この問題がある間は高値の更新はできませんでした。
良いニュースは噂という形でやってきて買いを呼び、悪いニュースは突然やってきて相場を一気に突き落としました。相場は下がる時の方が、動きが大きくなるとよくいわれますが、この傾向はビットコインでも同じでした。
まとめ
こうやって2017年を振り返ってみると、あらためてビットコインの値動きの荒さに驚きます。1年の間に30%近い暴落が何度も起きています。そして、それにもかかわらず、チャートは右肩上がりの成長を続けました。
大国の規制、分裂問題が2017年の焦点でした。2018年もこの2点は十分注意したいところです。国家による規制の噂は絶えません。2018年一月には早くも韓国が取引を停止するというニュースが流れました(その後撤回)。
スケーラビリティ問題に端を発した分裂問題もまだ解決していません。ビットコインの分裂は何度も行われ、感覚が鈍くなっていますが、今後も無視できない材料です。
悪いニュースが出ると短期的な暴落がよく起こってしまう点には今後も要注意です。